秋茄子は嫁に食わすなという有名なことわざ通り、夏の終わりから初秋にかけて旬のなす。あまりに美味いから食わすなという意地悪な姑説、身体を冷ます効果があるナスは子を産む嫁に良くないとするやさしい姑説。あなたはどちらを信じますか?
七輪炭火で焼き上げる焼きナスBBQレシピ
旬のなすは皮がぱつんぱつんに張っていて、黒光りしている。皮のちくちくがまだしっかり堅いものが新鮮な証拠。もともとインド東部が原産とされる夏野菜なので、真夏の暑い日のバーベキューレシピにはぴったりだ。辛いインドカレーにも厚切りの炒めたり、揚げたりしたナスは相性がよい。麻婆茄子など辛いものを食べて、汗をかきつつ、身体を冷ましてくれるという素敵なレシピ。
よくバーベキューの焼き野菜の一品にスライスしたナスが出てくる。バーベキューコンロのムラのある火で焼かれたナスはかわいそうに、からからに乾いてしまう。薄くて、からからのやつを味の濃い焼肉のタレで食べたことがある人は多いはずだ。せっかくのナスの甘みも台無しだ。
焼きなすは丸ごと。これが私流。ころころと転がって大変だけれど、うまい焼きなすのために付きっきりで焼いてあげよう。
材料(2人分) | 分量 |
なす | 1個 |
醤油 | 適量 |
しょうが | 適量 |
七輪の火力 | 中火 |
BBQアウトドア度 | ★★★ |
BBQ調理時間 | 20分 |
丸ごと焼きなすのレシピの調理方法(作り方)
- なすに2~3箇所包丁の先端をぷすぷすと刺して、破裂しないようにする。
- 充分に熱くなった焼き網にのせる。転がって落ちないように注意。皮が多少焦げても良いのでじっくりと焼きながらときどき転がす。
- 箸でそっと押してみて、柔らかければできあがり。
焼きなすをカットすると蒸気があがる
旨い汁がこぼれないように、よく切れる包丁で、なすをすっと押すように切る。3cmほどの厚切りにカットして醤油と好みで生姜醤油。旬の真夏の薄い皮のなすなら皮ごと食べられる。とろりとした中身だけを味わいたい場合は焼きあがったら、切る前にアツアツの皮をむく。
ところで宮崎県は佐土原町(さどわらちょう)に伝わる幻の赤ナスも紹介したい。数年前に訪れた宮崎は地産地消がすすんでいるので、地元の野菜が多く店に並ぶ。今夜のキャンプ料理に焼きナスをと選んでいたら見慣れない薄い赤紫色の大ぶりのなすがあった。佐土原の赤ナスだ。
佐土原の赤ナスで焼きなすをつくる
袋には「宮崎県伝統野菜 佐土原ナス とろける食感 焼きナスにぴったり」と書いてある。こんなにでかくては中がすかすかなのではと思うほど持っても軽い。ここは宮崎市佐土原ナス研究会のおすすめにしたがってみようと買い物カゴに入れてみた。
宮崎県伝統野菜 佐土原ナス
焼きあがるにしたがってナスがどんどん柔らかくなっていく。とろける食感を楽しむために皮を剥いてみると本当にふわふわしている。下の写真は縦半分にカットしたのではなく自重でつぶれている。一口食べるとまるでワタアメのような、焼き上げたマシュマロのような軽さに驚く。
そしてどこまでも甘い。野菜がこんなに甘いのかというほどの旨さ。1週間のキャンプ中、手に入る日は毎日焼いて食べたほどのナスだ。焼きなすが好きならネットで探してこの夏是非食べてみよう。