BBQ料理にこそ、強烈な匂いのくさやを加えるべき理由!七輪の出番なのだ!
くさやとは伊豆大島で内臓と塩からなるくさや汁につけて干した真鯵やムロアジの干物。八丈島産や新島産のくさやのおみやげ真空パック物をよく見かけるが、伊豆大島産の柔らかいものが好きだ。
他にはないちょっと強烈な匂いがチーズのようで、くさやの匂い、いや香りはクセになる
強烈な匂いのくさやは台所の換気扇マックス運転しても翌朝まで匂いが残る。だからこそ外で、七輪で、バーベキューで焼く食べ物なのだ。
くさやは何故くさい?くさやの歴史と作り方
伊豆大島には多くのくさや店があり、それぞれの味わいが楽しい。
- 塩気
- 柔らかさ
- 大きさ
- 風味の深さ
それぞれがくさやの特徴を際立たせる。くさやは臭いとよく言われる。確かに臭いともいえる。匂いの素はくさや汁。その昔塩は伊豆諸島の名産であるとともに、江戸へ魚送る際の貴重な保存剤として使われた。島民は自分達の魚の保存用に塩を使えない。干物の漬け汁を再利用したのだ。
発酵がどんどん進み、新たな内臓と塩が加わり発酵を繰り返し、その匂いがゴルゴンゾーラチーズのように深みを生み出す。
同じ発酵食品であるチーズとの相性は抜群。細かくちぎったくさやをピザに散らすとうまい。そしてチーズとくさやだけで作るこのオリジナルくさや料理、くさやチーズパイはくさや料理としても群を抜いている。
ぎんぎん冷えたビールにも、ボディのぐっと強い赤ワインにも、辛口の地酒にも相性抜群だ。
材料(4人分) | 分量 |
ムロアジのくさや 柔らかく塩気の濃いものが好ましい | 1匹 |
溶けるチーズ ピザ用 | 一袋 |
七輪の火力 | 中火 |
アウトドア度 | ★★★ |
調理時間 | 20分 |
■伊豆大島産くさやチーズパイのレシピの調理方法(焼き方)■
- 七輪の炭火は弱めの中火にする。焼き網を充分に熱しておく。
- 七輪焼き網にくさやをのせる。「川は皮から、海は身から」と言い、海水魚は身から焼くが、くさやは皮からやく。
- 七分焼きに仕上げて皮がこんがり焼けてきたら裏返す。くさやの身のほうはすぐに焦げるので丁寧に焼き上げる。
- 厚いうちにくさやの皮を剥いて中骨、腹骨を取り除き、細かくくさやをちぎる。
- テフロンのきいたフライパンに溶けるチーズをぱらぱらと均一に薄く広げる。すぐに溶け始めるので上の写真のようにちぎりくさやを投入。
- こんがり焼け始めたチーズの端っこからはがしつつ、あらよっと裏返す。両面焼き上げてできあがり。
あらよっと裏返すとこうなる。後でもう一度裏返してもいいだろう。
このぐらいカリカリに焼き上げると香ばしさが増してすばらしいツマミになる。
こうして両面がこんがり焼けたら頃合だ。もうチーズの焦げた匂いとくさやの熱々の匂いがもうもうと立ちこめ、絡み合い、そして鼻腔をくすぐる。
包丁で3センチ幅ほどに長細くカットする。あちあちと言いながらはじっこをつかみ、かじりつく。しゃくしゃくっとチーズが崩れてくさやのちぎり身と一緒に舌に落ちる。濃厚極まる発酵料理、くさやチーズパイ。
冷めてもさっくり割れて素晴らしい歯応え、匂いは少し弱くなるが冷めてもうまい。いつかこの味を袋に詰めて伊豆大島で、いや銀座で販売したい。